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洗脳(Toshi,講談社)

X JapanのWe are Xに触発され、映画の中において若干触れられていたToshIの洗脳

について知るべく、その名も「洗脳」を読んだ。映画の中でYOSHIKIがBrainwashed... と語っていたまさにあの状況である。

本書は2014年に出版された。

概略としては、妻である守谷香と、及びホームオブハートの主催者(教祖?)である、MASAYA という人物による洗脳である。 1993年にはすでに、Toshiの心に取り入ろうとしており実に12年間もの間、教団に洗脳され、 徹底的に暴力と搾取を受ける日々を送った赤裸々な記録である。

彼自身が完全に「恐怖」によって完全に 支配されていたことがよくわかる。

最後のほうは2009年頃の話であるから実に15年もの間、それから人生の中であるいはアーティスト として円熟に向かうべき20台最後のころから45歳に至るまでの間、ホームオブハートの支配下に あったということである。 読んでみて感じたのはいかに彼らのマインドコントロールの手口が巧妙であったかということだ。

それにしても彼らの取り入り方の巧妙さ、それから完全に支配していく様は正直想像を超えている。 数々の暴言と暴力、特に妻であるはずの守谷香のそれの凄まじさは読んでいて気が滅入るほどだ。

結局ほぼ別居状態であった妻の守谷のパジャマとMASAYAのパジャマが折り重なるように置かれていること またひたすら金を貢がされながら暴力を受けていること、さらに教祖はじめ、罵詈雑言を投げかけていたX JAPAN が再結成される話が舞い降りてきたときにMASAYAはその契約金を搾取しようと逆にToshiを焚付け、 それもまたToshiが疑念を生むきっかけになった。 彼らからの逃走に失敗し拉致監禁され激しい罵声と暴力を投げかけられ、さらにもう一度逃走したあと においても守谷とMASAYAが追いかけてきているのではないかと感じる強迫神経的な恐怖感にも 本当に完全に支配されてしまった人間の恐怖が生々しく描かれていると思う。 それにしても自分の体験を通して洗脳というものの恐ろしさをこれほどまでに赤裸々に書き下ろした 著書を書き下ろしたToshi、そして特にX Japanという世界屈指のバンドになりうるポテンシャルを持 った人々の運命までも狂わせてしまったホームオブハートというカルトの罪はどこまでも重い。

いや何より ひとりの人間としてのToshiの人生を奪ったMASAYAあるいは守谷の罪もまた極めて重いだろう。

Toshiは巻末で「人はどんな時でもやりなおせる」 僕はそう信じている と語っているところに彼の純粋さと優しさがあると感じる。