RCA盤「レオポルド・ストコフスキー・ステレオ・コレクション?954−1975」14枚組CDを聴いて

音楽千夜一夜第387回

レオポルド・ストコフスキーは昨日ご紹介したユージン・オーマンディの前任のフィラデルフィア管弦楽団のシェフで、なんと95歳まで生きた。

デイアナ・ダービンが主演した映画「オーケストラの少女」にカッコ良く登場したり、ウオルト・ディズニーの「ファンタジア」に曲をつけたり、ずいぶんクラシック音楽の大衆化に貢献した人だが、バッハの有名な「トッカータとフーガ」を聴いても分かる通り、その音楽のたたずまいには、あまり繊細なところはなくて、豪放闊達にして表情豊かである。

従ってここに収められた14枚の中では、やはりワーグナーの「ワルキューレ」や「トリスタンとイゾルデ」、「マイスタージンガー」や「タンホイザー」などの抜粋、マーラーの「復活」などでエキサイテイングな演奏を繰り広げている。

こういうシンプル&ボールドなアプローチは、当節流行の例えばN響首席指揮者の凡庸なパーヴォ・ヤルヴィの、何かがありそで、なさそで、結局何もない空疎なサクランボの如き神経衰弱音楽のちょうど対極にあるもので、彼の「復活」に間違って拍手喝采してしまった人などには絶対のお薦めである。

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