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小池教室

今日の講義は正古(しょうぶる)誠子歌集『卯月の庭』より

年齢は67,8歳。

岡野弘彦さんのところにいたがそののち一人で個人誌を出している。

普通はなかなかつづかないものだけれど、3冊め。

この歌集はつつましい歌集。1ページ3首、活字が小さい。

一人暮らしで猫と、3歳の時母をなくして自分も持病を持っている。

  すでにいま死語といふべき「志」我がうちにあり うづくまりゐる

一読明解、志があるのだがそれはうづくまっている。

作歌のモチーフを言っている。

  筆とめてそれから死までの百九日堀田善衛に長き時間か

事実の重み、人が気が付かないことに目が留まる、(たとえ些細な物でも)

これが大事、歌がある。

堀田善衛相馬黒光の話を書いた人ではなかったかしらと記憶するが)

  我が鼓動に耳寄せてくる猫ありてしづけきものか生ある時間

わたしが眩暈をおこした時猫が一生懸命顔を舐めた。

夢中になって舐めるんですね、すると眩暈が消えた!感動しました!

  千年をのこる一首をうたひたる歌人はおよそ幸ひ少なし

(みなさま、千年残る歌など詠まないでいきましょう、目の前の幸せの方が大事です)

  若きより死までの友情おもふべし達治を悼む桑原武夫

三好達治桑原武夫三高の同級生親友。

素朴な歌、身に沁みる。

桑原は短歌の悪口をいっぱい書いた人だね。

わたしの父が桑原武夫と少し縁があって、何かの講演会の時控室で父がわたしを紹介した。

東北大学の学生です」

「おお、なにを勉強しているの」

「物理を」

「君、それじゃ京都大学へ来なさい」

(京大は難しくて入れなかった!)

(小池さんはいろんな話を交えるので楽しい)

題詠 ・ 回る

  電柱の陰でタバコを吸ひ尽くす探偵をらず時代はまはる

*面白いけど

 添削

  電柱の陰でタバコを吸ひて待つ探偵もなし時代はまはる

とうこ ・ 吸い尽くすというと長い時間、そして探偵が「ああ、もう無いや」と

      タバコの箱を握りつぶしたりする動作が想像できるかと思うのですが。

写真は春菊の花、春菊を一袋蒔いたら菜としてはよく育たず、

放っておいたらきれいな花が咲きました。