みかんと、りんご、と、。

先日読んだ、ある人のエッセイで、地方に仕事で行き、駅からタクシーに乗ると、

その運転手さんに

「この地域の産業は何ですか?」と訊くことにしている、と、言う、

ある田舎の町の運転手さんは、こう答えた、

「そうですね、ビニールですかね、、」

なにか工場があってそれを作ってるのかと思ったら、

「ビニールハウス栽培」だという事が、タクシーから観た景色でわかったそうで、、。

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今、普通の温州みかんは、スーパーで買おうと思えば、その「ハウス栽培物」を買えるが、

昔々は、夏に、みかんなんて食べられなかった、

というか、食べたいとは思わんので、私は買って食べたことは無い。

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小学校の給食で冷凍ミカンが何べんも出て、

小四年の時、持って帰ろうとしてランドセルに居れていたら、

中で潰れてしまい、そのみかんの汁が、社会の教科書に滲み込んで、

社会の授業の都度、そのみかんの汁の匂いに悩まされたのが

トラウマになったせいか、

自分からはみかんを食べよう、とは思わない人間になってしまっているので、

街で私を見かけても、私に「みかんだけ」は、与えないでください。

「饅頭怖い」ではなく「みかん怖い」です。

そういえば、あぶり出しって昔あったなあ、、。

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落語で、「千両みかん」というのがある。

ある大きな商家の一人息子が、病気で倒れ、死にそうだ、と言う、

死ぬ前に何か欲しいものはないか?と親が訊くと

「みかんを食べたい、、」

ところがその時は夏の真っ盛り、みかんなんか売ってない。

番頭に頼んで、街じゅうの八百屋に探しに行かせると、

一軒の八百屋の蔵の中に、ひとつだけ見つけるが、

その八百屋が言うには、

「貴重品だから、千両だ、」

と言うが、

両親は、息子可愛さに千両払ってみかんを食べさせる。

その皮を剥いて、十袋のうち、七袋、息子が食べる、

で、じぶんのためによくぞやってくれましたと、

あとは、両親と番頭と三人で食べてくれと、その三袋を番頭に渡すが、

三袋でも三百両という大金に目がくらんだ番頭は、

それを持って失踪する、、

という話で、、

たまに、マンゴーや、マスカット、桃、マツタケの初物が、とんでもない値段で

買われた、って話があると、

いつも千両みかん、と思い出す。

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日本人のある人が、「日本とオーストラリアは、季節が逆だから、

オーストラリアで、柿を栽培して、日本に売れば、

日本に柿がない時期に売れる、、」

と思って、やり始めた、という話を昔どこかで聴いたことがあるが、

その後どうなったんだろうか、

と言うより、春や夏に柿を喰いたいか、と思うのだが、。

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近所のスーパーでは、スイカは一年中売っている。

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昔、ベルリンの壁が、崩壊した直後、

東ベルリンから、どっと、西ベルリンに、見物にやってきた人々の群れ、、

を、NHKが街で取材していると、

スーパーマーケットの前に小さな家族連れの中から分かれた

小学校一、二年の男の子が、

そのスーパーの前で売っていた、リンゴ、の前に走って行き、

あとから来た親に訊ねる、

「ねえねえ、リンゴが売ってるよ、どうして今の時期にリンゴが売ってるの?」

お父さん

「うん、西側はね、いつでもリンゴは売ってるんだよ、、」

その子供のほうが、果物の旬をきちんと知っている、というのを

映像で観て、私は板前やっているのに、

ほんとうの食材の旬を全部知らなかったので、

恥ずかしかった思い出がある。